「フレイル予防」という言葉を、自治体の広報やテレビで目にする機会が増えました。フレイルは、年齢とともに心と体の働きが弱くなってきた状態のこと。早めに気づいて対策すれば、元の元気な状態に戻ることも期待できるとされています。
この記事では、フレイル予防の基本となる「3つの柱」と、その中でも運動について、何を・どのくらい・どう続ければよいかを整理します。ご自身のためにも、親御さんのためにも参考にしてください。
フレイルとは?介護が必要になる「手前」の状態
フレイル(虚弱)とは、健康な状態と、介護が必要な状態の中間にある段階を指します。筋力や体力の低下といった体の変化だけでなく、気力の低下や、人との関わりが減るといった心や社会面の変化も含まれます。
大切なのは、フレイルは適切な対策で健康な状態に戻れる可能性があるという点です。「年だから仕方ない」とあきらめず、早めに手を打つことが、これからの暮らしを守ることにつながります。
こんな変化はフレイルのサインかも
- 以前より歩くのが遅くなった、横断歩道を渡りきるのが不安
- ペットボトルのふたが開けにくくなった
- 何もしていないのに疲れやすい
- 食事の量が減って、体重が落ちてきた
- 外出や人と会う機会が減った
気になる変化がある場合は、自治体のフレイルチェックや、かかりつけ医への相談も活用しましょう。
フレイル予防の3つの柱
フレイル予防では、次の3つをバランスよく続けることが大切とされています。
- 栄養:たんぱく質をしっかりとり、いろいろな食品をバランスよく食べる。よく噛んで食べられるよう、お口の健康も保つ。
- 運動:筋力を保つ運動や、歩く習慣で体を動かす。
- 社会参加:趣味や地域の活動、人との会話など、外とのつながりを持ち続ける。
3つはお互いに影響し合います。たとえば、体を動かすとお腹がすいて食事がしっかりとれるようになり、体力がつくと外出もしやすくなります。逆に、どれか一つが崩れると、ほかも崩れやすくなります。
フレイル予防の運動は何をすればいい?
フレイル予防の運動は、特別なものである必要はありません。次の4つを組み合わせるのが基本です。
1. 筋力を保つ運動(筋トレ)
特に大切なのが、脚やお尻の筋肉です。立ち上がる、歩く、階段を昇るといった毎日の動作を支えています。椅子からの立ち座りや、かかと上げなど、自宅でできる軽い運動から始められます。
2. 歩く・体を動かす(有酸素運動)
ウォーキングなど、少し息がはずむ程度の運動は、体力や心肺機能の維持に役立ちます。いきなり長い距離を歩く必要はなく、「いつもより一駅分歩く」「買い物は歩いて行く」といった工夫からで十分です。
3. バランスを保つ運動
椅子や壁につかまっての片足立ちなど、バランスを意識した運動は、つまずきや転倒の予防につながります。必ずつかまれるものがある場所で行いましょう。
4. 体をほぐす(ストレッチ)
関節や筋肉の動きをなめらかに保つことで、ほかの運動にも取り組みやすくなります。運動の前後や、お風呂上がりに取り入れるのがおすすめです。
自宅で器具なしでできる筋トレは、高齢者が自宅でできる筋トレメニュー8選で、回数の目安や注意点とあわせて詳しく紹介しています。
フレイル予防は何歳から始める?
「まだ元気だから」と思っているうちに始めるのが理想です。筋肉は使わなければ年齢とともに少しずつ減っていくため、60代など、まだ体力に余裕があるうちから運動習慣をつけておくと、その後の変化をゆるやかにしやすくなります。
もちろん、70代・80代から始めても遅すぎることはありません。体の状態に合わせて、無理のない強さから始めることが大切です。
運動を続けるためのポイント
- 週2〜3回、短時間から:毎日長時間よりも、10〜15分を無理なく続けるほうが大切です。
- 生活の中にタイミングを決める:「朝のテレビのあと」「昼ご飯の前」など、時間を決めると習慣になりやすくなります。
- 人と一緒に行う:誰かと一緒に体を動かすことは、運動と社会参加の両方につながります。
- 体調に合わせて休む:痛みがあるときや体調がすぐれない日は、無理をせず休みましょう。持病のある方は、始める前に主治医に相談してください。
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地域では、フレイル予防の体操教室やサロンが数多く開かれています。人と会う機会にもなるため、参加できるならとてもよい選択肢です。
一方で、「集団で運動するのは気が進まない」「出かけること自体がおっくう」という方もいます。そんな場合は、トレーナーが自宅に来て1対1で運動をサポートする出張パーソナルトレーニングという方法もあります。住み慣れた家で、その方の体力に合わせて進められるので、運動の習慣づくりの第一歩として取り入れやすいのが特徴です。トレーナーとの会話そのものが、外とのつながりの一つにもなります。
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まとめ
フレイルは、介護が必要になる手前の段階で、早めに対策すれば元気な状態に戻れる可能性があります。予防の基本は「栄養」「運動」「社会参加」の3つの柱。運動は、筋トレ・歩く・バランス・ストレッチを組み合わせ、週2〜3回の短い時間から無理なく続けることが大切です。
「何から始めればいいかわからない」「一人では続かない」という方は、まずは身近な人と一緒に、できることから一つ始めてみてください。
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